美の法則:シンメトリー(左右対称)とバランス

2015.11.29 Cat: Tag:, , ,
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フィレンツェのドレスショップのウィンドウ。左右対称の中心の位置の店内に、純白のドレスが目に入るよう計算されています。

またまた大変ご無沙汰しております!!いつものことながら、記事の更新に間が空きすぎてしまい、申し訳ございません!日本はここ数日でだいぶ冬らしい気温になってきていますが、日本の皆様、イタリアの皆さま、世界の皆さま!お元気でしょうか?

イタリアより帰国して1か月半が経過し、今はすっかり日本の心地よさを味わっている自分がいます!

イタリアにいた頃は、正直帰国が近づくことで憂鬱になっていた時期がありましたが、環境が変わるときというのはいろいろな変化と不安定さの中に身を置かなくてはならず、考えてみれば当然のことなのかもしれません。住む場所、生活の基盤としての様々なことがら(仕事、諸手続き、ライフスタイルなど・・・)、そして人間関係などなど・・・すべてが一旦また振り出しに戻るということに心もとない感覚が湧きあがり、自分が数か月後には日本でどんな生活をしているのか、想像がつかない状態でした。それほど、イタリアで1年生活したことは、日本でのかつての生活をすっかり洗い流してしまったような、濃密で刺激のぎっしり詰まった日々でしたし、またそれを期待しての出国でしたのであらゆることを「リセット」するべく、いらないものは処分し、解約し、自分の残していくものは最小限にして旅立ちました。ですのでその分、新しい日本での生活が想像できなかったのも無理はありません。

そして帰国後は・・・不思議ととても新鮮な気持ちで日本を味わい、リラックスして過ごしております。母と妹夫婦が住む横浜で、毎日甥っ子と姪っ子、愛犬に癒され、イタリアではなかなか食べられなかった和食中心の食事と大好きなお風呂に、身も心も完全にゆるんでしまっています。イタリアでの生活も、日本とは違う部分でかなりリラックスはしていましたが、そこはやはり外国。なんだかんだ言って気は張っていたし、ガマンしている部分もあったのでしょう、「あぁ、帰ってきたんだな」と心から思う自分がいるんです。

さてそんな中、帰国後は自分がこれからやっていきたいことに繋がることの種をここ日本で、探し始めることから始めました。ヨガを教えること、ジュエリーの勉強をすること、語学の勉強を続けること、そしてこれらを仕事に繋げていくこと。

先日、イタリアにいた頃から日本に戻ったら行こうと思っていたブルガリ展「アート オブ ブルガリ」に行ってきました。ブルガリというブランドの歴史とそこにまつわる様々なストーリーとともに、それぞれの年代で最も注目を浴びた貴重なジュエリーが展示されていました。イタリアならではの美しい色使いと重厚で高級感溢れるデザイン。そしてもちろん、まばゆいばかりの宝石たち。イタリアで1年過ごしたことで、あちらのジュエリーのデザインがいかに日本のそれとは異なるか、それを理解できただけでも今回の留学の価値があったと思っているのですが、そのことを再認識させられる展示会でした。

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ブルガリ」展にてひときわ注目されたジュエリー。

私はイタリアやヨーロッパのジュエリーデザインが好きです。とても個性的で、色の配置やモチーフが大胆で。

日本の小ぶりで可愛らしく、きゃしゃなものとは趣向が大きく異なりますが、正直どちらがいいかはそれぞれの方の好みだと思います。日本人に似合うものが日本で売られているジュエリーなのだ、と言われればそうなのかもしれませんが、こちらのブルガリ展では宮沢りえさんはじめ、アジアの女優やセレブたちがブルガリのジュエリーを身に着けた写真も見られ、とても個性に合った美しいコーディネートばかりで印象的でした。日本の女性たちももっと自分の個性を主張するジュエリーを身に着けてもいいのかもしれない、そう思いました。

フィレンツェでジュエリーデザインを学んでいた時に繰り返し先生から言われたこと、それはデザインの中に「シンメトリー(左右対称性)」をきちんと確立させること。私の練習では、ブルガリも含めたイタリアを代表するブランドのジュエリーデザインをコピーすることが多かったので、そこにはたしかに「左右対称の法則」が常にあるのだということを実感したものです。

シンメトリー(左右対称)とは、いわばヨーロッパのあらゆる美術、芸術、建築において基本とされているひとつの特徴です。イタリアで街を歩いているときに目にする古い教会などの建築物、広場にある噴水とその周りに超然とそびえたつ立派な彫刻。また一般の家庭にインテリアとして飾られた鏡と両脇に置かれた燭台。すべてクラシカルなものはこの法則で成り立っています。また人の顔も、美しいとされる条件は左右対称であること、と言われています。

このようにヨーロッパでは黄金率と並んで美の大原則とされているシンメトリーですが、日本の伝統美術や芸術においては逆にアシンメトリー(非対称性)が特徴だとのことです。たしかに、日本的なものって、左右のバランスというよりは全体のなかでの調和、空間や隙間を含めた全体の微妙なアンバランスさや流れるようなパターンを総合して味わうものが多いように思います。日本庭園と西欧の伝統的な庭園の違いは、その違いの典型と言えるのかもしれません。

イタリアにいた頃、このような左右対称性の特徴を意識したとたん、様々なものがこの法則に則っていることに気づいて目につくようになってから、考えていたことがあります。そういえば、私がやっているヨガも基本的にはすべて左右交互に行い、そうすることで心身のバランスを整えるとされています。また、ヨガでは、右と左にそれぞれ様々な意味もあります。たとえば、右は男、左は女、太陽と月、というように。そしてヨガでも、身体の中心、心と精神の中心をつねに意識することが重要となります。

私たち人間の身体や心も、本来は左右対称でバランスが取れているべきなのだろうと思います。この自然界に存在するすべてのものは、もしも神様が作ったのだとしたら、驚くほど精巧に、バランスをもって生まれてきたのでしょう。花も、鳥も、動物たちも、そして私たち人間も。でも、それは精密に作られた機械とはことなるので、長い年月のなかでバランスを崩し、左右対称でなくなってしまったものもあります。また人間が作った環境や地球を破壊する化学物質などによる影響で、遺伝子レベルで変形してしまったものもあるでしょう。また、たとえ生まれたときは左右対称であっても、生きていく時間の中でそのバランスを失ってしまうこともあります。

でも、私たち人間にはその「アンバランスさ」から何かを読み取り、受け入れ、補うことができる本能も備わっているようにも思うのですが、どうでしょうか。たとえば、片手、片足を失ってしまった人であったら、その人がその事実を受け入れたことで培った精神的な強さや優しさを見ることができたり。片目の視力を失ってしまった人であったら、もう片方の目ですべてを見て感じようとするその優れた感性と洞察力に感嘆したり。

ビジュアルとしても、また目に見えない精神的なものであっても、必ず中心軸があって左右対称であることは自然界の大切な原則であることを理解したうえで、バランスが崩れている場合はそこの欠けている部分を補う「目に見えないもの」をも感じることもまた、私たちの感性をもってすれば可能なのかもしれません。そのような意味では、「空間」や「間」というものを大切にして、全体の調和でものを見ようとする日本的な美意識も、アンバランスさを美しく見せる上では生きてくるのかもしれない、などと考えたりしました。

ヨーロッパの街並みに比べると、ごちゃごちゃしているようにも見える日本の風景。その中に存在している日本の美とは何か。改めてじっくり感じてみようと思います。ジュエリーデザインとしては、左右対称の絶対法則を生かしているものが、やはり美しいと感じる私ですが。

そして日本女性の個性を引き出すジュエリーがどんなものであるべきなのか、私なりにたくさん考えて、感じて、発見していければと思っています。

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私も大好きなオードリー・ヘプバーンの顔は、「黄金率」も「シンメトリー」も見事に叶った美しいバランスなのだそうです。

 

 




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